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製品と同濃度で樹脂へ分散させ、緩和時間から粉体の濡れ性を比較した事例です。
粒子Bはメカノケミカル処理を行った粒子で、この粒子を用いて製品を作成すると、強固で丈夫な性質を有していました。
しかし、新しい処理を行った粒子Aでは、頑丈な部品を製作することができませんでした。
この原因を探るため、実際の樹脂に粒子A・Bを製品と同濃度で分散させ、緩和時間を測定し、粉体の濡れ性を比較しました。
シリカ系フィラー(粒子径:1μm未満)A・Bを、光硬化樹脂(160mPa・s)に粒子濃度50wt%以上で混合しました。
混合した試料を、公自転式攪拌脱泡装置 カクハンターSK-400TR(株式会社写真化学製) にて分散しました。
MagnoMeter SED VTで緩和時間を測定し、粉体A・Bの濡れ性を比較しました。

緩和時間から算出したRsp値により、粒子A・Bの樹脂への濡れ性を比較しました。
緩和時間から算出したRsp値を用いて、粉体A・Bの樹脂への濡れ性を比較しました。
Rsp値の算出については、 「緩和時間を分散性や比表面積に換算する理論」 の式⑥をご覧ください。
粉体A・Bの樹脂への濡れ性
Rsp値が大きいほど、濡れ性が良く、分散性が良いと評価できます。
測定結果から、粒子A・Bの光硬化樹脂への濡れ性は、以下の順であることが分かりました。
濡れ性
良 粒子A > 粒子B 悪
濡れ性の結果と、実際の製品強度との関係を検討しました。
多くの場合、濡れ性が良いと分散性が均一になり、強固で丈夫な製品が出来上がると考えられます。
しかし本事例では、モノマー中で粒子Bの方が濡れ性が悪いという結果が得られた一方、実際の製品では粒子Bを用いた方が強固で丈夫でした。
モノマー中では粒子Bの方が濡れ性が悪いという結果が得られましたが、重合してポリマーになったときに極性が変わり、粒子Bの方が濡れ性および分散性が良くなった可能性が考えられます。
濡れ性が悪い場合には凝集体を形成することが多くあります。 粒子Bは濡れ性が悪いことから凝集体を形成し、光がより樹脂に到達しやすくなったことで、強固な製品となった可能性が考えられます。
パルスNMRで得られた結果のみでは、どちらの考察が正しいかを判断することはできません。 しかし、高粘度な媒体に分散した試料であっても、粒子界面の違いを数値化することができました。
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